車庫証明の基本・取り方について解説!

車庫証明の基本・取り方について解説!

自動車を購入する際や、引っ越しをした際に必要になる「車庫証明」。

「初めて車を買うけれど、ディーラーさんに車庫証明が必要と言われた。でもそもそも車庫証明って何?」「引っ越しをしたら車検証の住所を変更しないといけないけど、そのために必要な車庫証明の取り方が分からない……」等、なじみがない方にとって車庫証明関係の事柄は「難しい!」と感じがちですよね。

今回の記事では、「車庫証明の基本と取り方」について解説します。

車庫証明とは、正式には「自動車保管場所証明書」と呼ばれます。

警察に自分が車庫を持っていることを申請し、「私は車を停めるところを確保しています(ですので、路上駐車はいたしません)」と証明した証拠として、書類を貰うのですね。

「どうしてそんな当然のことを警察に証明しないといけないの?」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は車庫証明の取得は法律で義務づけられています。

「自動車の保管場所の確保等に関する法律」の第1条は「自動車の保有者等に自動車の保管場所を確保し、道路を自動車の保管場所として使用しないよう義務づける」と定めています。

したがって、車を持っている人には「車を停めるところを確保し、路上駐車をしないこと」が法律で義務づけられています。

路上駐車をしてはいけないのは当たり前ですが、「私は路上駐車をしません」と証明するところまで行わないと、車を所有する上で法律違反になってしまいます。車庫証明が必要とされる際には必ず警察に行き、交付の申請を行いましょう。

②車庫証明はどんなときに必要?

車庫証明が必要となるのは、主に下記の3つのケースが多いです。

新車を購入するとき

新車を納車する(公道で走れるようにする)ためには、運輸支局で自動車登録を行い、ナンバープレートを交付してもらわなければなりません。

自動車登録に必要な書類の中に車庫証明が含まれている(車庫法第4条2項によって、自動車登録を行うには車庫証明を取らなければならないと義務づけられている)為、新車購入の際には車庫証明が必須となります。

車の名義変更をするとき(中古車を購入する・誰かから車を譲り受けるとき等)

中古車の購入・譲渡によって車の名義変更をする際にも、車庫証明は必要です。

車の名義変更に必要な書類の中に車庫証明が含まれている為、中古車購入・譲渡によって手に入れた車を自分の名義に変更するには、車庫証明を取得する必要があります。

※ただし、名義変更後も車検証記載の住所に変更がないとき(同居の親族から車を貰う・相続で譲り受ける等の場合)は取得不要です。

参考URL:車庫証明が必要となる場合(行政書士 佐々木亮一事務所)

引っ越しをするとき(車検証に記載されている所有者・使用者の住所が変わるとき)

引っ越しにより、車検証に記載されている所有者・使用者の住所を変更するときにも、車庫証明は必要です。

「引っ越しぐらいで車検証の住所を変えないといけないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、車検証の住所を変えないままでいると下記のデメリットがあります。

・自動車税の通知が受けられなくなる(≒自動車税の未納に気付かず、車検が受けられなくなる可能性がある)
・車庫飛ばしの罪(刑法第157条、最大で20万円以下の罰金)に問われる可能性がある

引っ越しをしたら、必ず車庫証明を取って車検証の住所を変更するようにしましょう。

③車庫証明を取るのに条件はある?

警視庁ホームページによると、車庫証明を取るには下記の条件を満たす必要があります。

①車の保管場所が、道路以外の場所(駐車場、車庫、空き地等)であること。

元々路上駐車を取り締まる為に発足した制度なので、公道は保管場所として使うことができません。

車のサイズが車庫より大きく、車の一部が道路にはみ出している場合も同様です(車庫法第17条2項で、「車庫法第11条1の規定に違反して道路上の場所を使用した者」には3か月以下の懲役または20万円以下の罰金を科すと定められています)。

公道にはみ出さないよう、十分な広さの駐車場を確保するか、駐車場の大きさに合った車を購入しましょう。

②使用の本拠の位置から2キロメートルを超えないこと。

ここでいう「使用の本拠」とは、個人で車庫証明を取る場合は車の持ち主の住所(別宅も含みます)を、法人で車庫証明を取る場合は法人登録されている住所(本社や支店等)を指します。

個人の方が「勤務している会社の近くに駐車場を借りたから、そこで車庫証明を取ろう!」と思っても、勤務先の会社を使用の本拠とすることはできませんから、駐車場と自宅が2km以上離れていたら車庫証明を取ることはできません。

また、有名な距離制限ですが、これは「直線距離で2km以内」であることが条件です。
地図上での直線距離はGoogleマップ等で調べることができます。車庫証明の取得を目的として月極駐車場を借りる際には、事前に自宅との距離を調べておくと良いでしょう。

参考URL:Google公式Q&A

③自動車が通行できる道路から、支障なく出入させ、かつ、自動車の全体を収容できること。

車庫証明を取る為の3つ目の条件は、駐車場が面している道路が細すぎず、車全体を収容できる十分なスペースを確保できていることです。

といっても、難しいことはありません。「駐車場に面している道路の幅や、駐車場のスペースと比較して、大きすぎる車は車庫証明が取れませんよ」「面している道路からスムーズに入出庫ができない駐車場は、保管場所として認められません」という話です。

車庫証明を取る際には駐車場の大きさだけでなく、面している道路からスムーズに入出庫ができるかどうかについても、他の条件と合わせて確認しておきましょう!

④保管場所として使用できる権原を有していること。

車庫証明を取る為の4つ目の条件は、保管場所を使用するための権原を有していることです。
簡単に言うと、「あなたは保管場所に指定した土地を使う権利を持っていますか?」ということですね。

ご自身の所有している土地(ご自宅のガレージや駐車場)であれば、この点が問題になることは特にないでしょう。

月極駐車場やマンションの駐車場を借りている場合は、「私はこの駐車場を使う権利を持っています」と証明する書類(保管場所使用承諾証明書と呼ばれます)を、大家さんや管理会社に書いてもらわなければなりません。
駐車場を借りている場合は管理会社や大家さんに、どのような手続きをすれば書類を出してもらえるか、前もって確認しておくとスムーズに手続きが進められますね。

大まかな取り方の流れの解説

①車庫証明を取るのに必要な書類を揃える・記入する
②最寄りの警察署に行き、車庫証明の申請を行う
③後日、警察署で車庫証明書を受け取る(※申請から受取まで1週間程度かかります)
④車庫証明書を使用し、ナンバープレートの発行(新車の場合)、名義変更(中古車購入の場合)、車検証の住所変更(引っ越しの場合)等を行う

次の項目からは、各ステップを詳しく解説していきます。

①車庫証明を取るのに必要な書類を揃える・記入する

車庫証明を取るのに必要な書類は、下記の4つです。

①自動車保管場所証明申請書
②保管場所の所在図・配置図
③保管場所を使用する権原を有することを証明する書類
④自動車の使用者の住所を確認できる書類

それでは早速、各書類について解説していきます!

①自動車保管場所証明申請書

自動車保管場所証明申請書は、車庫証明を発行する警察署に「車庫証明を取りたいです」と申請するための書類です。
警察署で貰うことができる他、所轄の警察署によってはネットでダウンロードすることもできます。
必ずしも警察署に行く必要がないのは、忙しい方にとっては有難いですね。

②保管場所の所在図・配置図

車庫証明の申請をする際には、駐車場がどこにあるかを示した地図と、駐車場の配置図(家でいうところの間取り図のようなものです)も必要です。

地図はGoogleマップ等を印刷したものでも大丈夫です。地図を受け取った警察の方が分かりやすいよう、駐車場の位置を目立つ色のマーカーでなぞったりしておくと親切ですね。
配置図は駐車場の間取り図のようなものです。「駐車場の入り口がここにあって、この区画に駐車します」というのが図面を見て分かればOKです。

自分で書くこともできますが、駐車場の詳細なサイズを記入しなければならないので、慣れていない方が自力で書くのは案外難しいかもしれません。
駐車場を借りている方は、大家さんや管理会社から既存の配置図を貰える場合もありますので、書くのが難しい場合は一度相談してみましょう。

③保管場所を使用する権原を有することを証明する書類

駐車場を借りている場合は「保管場所使用承諾証明書」が、自己所有の土地に車を停めている場合は「保管場所使用権原疎明書面」がこれに当たります。

駐車場を借りている場合

月極駐車場やマンションの駐車場を借りている方は、管理会社や大家さんに「車庫証明を取りたいので、保管場所使用承諾証明書を用意してほしいです」と問い合わせてみるのが良いでしょう。
書類の作成に慣れた管理会社であれば、数千円の手数料で保管場所使用承諾証明書の必要な欄を全て記入してくれる場合もあります。書類を書くのが難しい・手続きをできるだけ簡単にしたいときは、代行を依頼すると楽ですね。

管理会社・大家さんが所有者記入欄(下図赤枠)のみを記入する場合は、他の欄(下図青枠)は自分で記入する必要があります。書式に従って、必要事項を記入しましょう。

保管場所使用承諾証明書

※所有者記入欄の情報を自分で勝手に記入し、車庫証明の申請に書類を使用した場合、私文書偽造罪(刑法第159条)に問われる可能性があります。必ず、管理会社・大家さんに連絡しましょう。

自己所有の土地(家のガレージ等)に車を停めている場合

ご自身で所有されている土地(家のガレージ等)に車を停めている方は「保管場所使用権原疎明書面」に必要事項を記入していきましょう。
書面の書き方、注意するポイントを図にまとめましたので、よろしければご覧ください。

④自動車の使用者の住所を確認できる書類

最後に、「自動車の使用者の住所を確認できる書類」を用意します。

個人の方は運転免許証・電気・ガス等の公共料金の領収書・消印のある郵便物などが住所を確認できる書類として使用できます。
法人の方の場合は、謄本の写し・消印のある郵便物(○○支店宛等の印字があるもの)を準備しましょう。

参考URL:警視庁HP

②最寄りの警察署に行き、車庫証明の申請を行う

必要な書類を揃えたら、警察署で車庫証明の申請を行います。
申請の前に押さえておきたいポイントとしては、下記の2点です。

「駐車場のある土地を管轄している警察署」への申請が必要

車庫証明の申請は、実はどこの警察署でも受け付けてもらえるわけではありません。
「駐車場のある土地を管轄している警察署」に申請しないと、受け付けてもらえないのです。

自宅から離れた位置に駐車場を借りている方は要注意ですね。自宅から最も近い警察署の管轄に、借りている駐車場が含まれていない可能性があります。

「せっかく休みを取って警察に行ったのに、管轄が違うと言われてしまった……」とならないよう、先に電話等で問い合わせておくと良いですね。

警察署窓口の受付時間

警察署自体は24時間・年中無休ですが、申請窓口の受付時間は平日の昼間(朝9時頃から夕方の17時頃)になっているところが多いようです。申請する際には前もって受付時間を調べてから行くようにしましょう。

「所轄の警察署も確認したし、窓口の受付時間も確認OK!」という方は、早速申請に向かいましょう。

車庫証明の申請を行う際の持ち物リスト

・書類一式

申請に必要な書類が揃っているか、今一度確認しましょう。クリアファイル等に入れてまとめておくと、申請するときもスムーズですね。

・現金

申請費用(2500円前後)を支払うのに必要です。クレジットカードや電子マネー、QR決済等は使えないことが多いので、キャッシュレス派の方も現金を用意しておくと無難です。

(※一部警察署(主に警視庁管轄内)ではキャッシュレス決済を導入していることもあります)

・ボールペンと印鑑

書類の内容に間違いや記入漏れがあった際には、再度書類を書き直すか、書類に記入した内容を訂正する必要があります。

書類の訂正には押印が必要ですが、ボールペンと印鑑を持っていればその場で訂正できます。万が一に備えて、持って行くと良いでしょう。

警察署についたら

窓口の方に書類を提出し、不備がないか確認してもらいます。
書類に不備がなければ、引換券(納入通知書兼領収書)が発行されます。
引換券を受け取ったら、「いつから車庫証明を受け取れるのか」を窓口の方に確認しましょう。大抵の場合、「○日から交付可能です」と教えてくださると思います。

※車庫証明は申請したその日に交付される書類ではありません。早い地域で2~3日、遅い地域で1週間程かかります。
後日受け取りに行く必要がありますが、警察からは「出来上がりました!」といったお知らせは特にありませんので、いつから受け取れるのかを申請の時点で聞いておくとベターです。

交付日を確認したら、車庫証明の申請は終了です。その日は家に帰って、自動車保管場所証明書まで待ちましょう。
引換券(納入通知書兼領収書)は、車庫証明を受け取る際に必要になります。車庫証明が無事に交付されるまで、大切に保管してください。

③後日、警察署で車庫証明書を受け取る(※申請から受取まで1週間程度かかります)

申請を出した日から数日経つと、車庫証明(正式には自動車保管場所証明書)の交付準備が整いますので、警察署に受け取りに行きましょう。

車庫証明を受け取る際の持ち物リスト

・引換券(納入通知書兼領収書)

車庫証明の申請時に交付される書類です。こちらを忘れてしまうと受け取りができませんので気をつけましょう。

・現金

申請時同様、交付の際にも手数料(500円前後)が必要です。少額ではありますが、事前に準備しておきましょう。

警察署についたら

窓口に引換券と手数料(警察署によっては窓口に直接お金を払うのではなく、証紙の購入が必要な場合があります)を渡すと、車庫証明とステッカー(保管場所標章)を交付してもらえます。
車庫証明の交付は申請した本人でなくとも、必要書類と手数料の用意があれば行ってくれますので、忙しい方は家族・知人に書類を渡して受け取りを依頼しても問題ありません。

また、地域によっては郵送での受け取りに対応していることもあります。
(車庫証明の郵送は警察が行っているサービスではなく、地域の交通安全協会が提供しているものです。お住まいの地域の交通安全協会が郵送での発送に対応している場合は、申請時に交通安全協会に申し込めば郵送してもらえます。)
郵送での受け取りには手数料が必要ですが、「警察署に行く時間がない」「私用で2回も休みは取れない」という方にとっては有難いサービスですね。

車庫証明を取ったあとの手続きを行う

車庫証明の書類が無事交付されても、そこで安心してはいけません。
車庫証明には30日前後の有効期限(地域により異なります)がありますので、速やかに次の手続きを行いましょう。

新車購入の場合

新車購入の場合は、早めに警察から受け取った書類一式をディーラーさんに渡しましょう。
新しい車両をおろす(ナンバープレートを交付して公道を走れるようにする)には、車両の運輸支局への登録が必要です。

運輸支局での登録の際には車庫証明が必須となっていますので、ディーラーさんに代行を依頼せず自分で車庫証明を取得した場合は、すぐに書類を渡した方が親切ですね。

中古車購入・名義変更の場合

中古車購入でディーラーさんがいる場合は、新車同様車庫証明の書類一式を渡せばOKです(名義変更の手続きをディーラーさんが代行してくださるケースが多い為)。

個人間での売買・譲渡の場合は、運輸支局で名義変更を行う必要があります。
名義変更の手続きは、車両の引き渡しから15日以内に行う必要があります(この期限は道路運送車両法第13条に定められています)ので、車の買主の方は売主の方に早めに連絡を取り、速やかに名義変更の手続きを行いましょう。

車検証の住所変更の場合

引っ越し等で車検証の住所変更を行う場合、住所が変わってから15日以内に運輸支局で車検証の登録内容を修正する必要があります(この期限は道路運送車両法第12条に定められています)。

引っ越しの際は他にも行わなければならない手続きがあり、つい後回しにしてしまいがちですが、車検証の住所変更を行っていないと「新しい住所に自動車税の通知が来ない」「車庫飛ばしの罪(刑法第157条、最大で20万円以下の罰金)に問われる可能性がある」などのデメリットがありますので、忘れず手続きを行いましょう。

まとめ

この記事では車庫証明の基本・取り方について解説しましたが、いかがでしょうか。
「車庫証明ってそもそもどういうものなの?」「自分で車庫証明を取るのは初めてだけど、取り方がよく分からない……」という方の助けになれば幸いです。

最後に「よくある質問(FAQ)コーナー」を用意しましたので、よろしければご覧ください。

よくある質問(FAQ)コーナー

Q1.軽自動車は車庫証明がいらないと聞いていますが、実際はどうなのでしょうか?

地域によっては不要なところもあります。最寄りの警察に聞くのが確実ですが、車庫の申請の要不要をまとめたサイト(くるなび)などで簡単に確認することもできます。

Q2.保管場所使用承諾証明書・車庫証明の申請書を書ける気がしません(難しそうです)。代行を依頼できたりしないのでしょうか?

新車・中古車の購入であれば、車のディーラーさんが代行してくださる場合もありますので、「必要書類は揃っているので、車庫証明の申請代行をお願いできませんか?」と聞いてみるのもアリですね。

また、代行をお願いできるのはディーラーさんだけではありません。行政書士の方に依頼することも可能です。

「平日は仕事で忙しい」「手続きが難しそうなので詳しい方にお願いしたい」という方は、ディーラーさん、行政書士の方への代行依頼を検討してみても良いかもしれません。

Q3.どうして車庫証明の交付には時間がかかるのでしょうか。早く車がほしいので、急いでいるのですが。

実は警察署は車庫証明の申請を受けた後、申請と実態が一致しているか、警察官を派遣して現地確認を行っています。その為、申請したその日に車庫証明の交付を受けることはできません。余裕をもって申請するようにしましょう。

Q4.保管場所使用承諾証明書がなくても、駐車場の契約書で車庫証明が取れると聞きました。本当でしょうか?

インターネットで調べると「契約書で車庫証明が取れる!」といった内容のページも見つかりますが、必ずしもそうとは限りません。
駐車場・マンションの管理会社によっては、契約書を使って(保管場所使用承諾証明書を発行すること無しに)車庫証明を取ることを禁止している場合があります。
まずは契約書をよく読んで、契約書を使って車庫証明を取ることが禁止されていないか確認しましょう。

また、使用している駐車場が機械式駐車場の場合(賃貸マンション等に多いかと思います)、管理会社に連絡せずに契約書で車庫証明を取ると、下記の事例のようなトラブルが発生する可能性があります。

【実際の事例】

大型セダン車に乗っていたAさんは、結婚を機にワンボックスカーへ車を買い替えることにしました。Aさんが借りている駐車場はマンションの機械式駐車場で、パッと見た印象では新しいワンボックスカーも入庫できそうです。

そこでAさんは早速、新車購入の手続きを進めました。管理会社に保管場所使用承諾証明書を書いてもらうと手数料がかかる為、駐車場の契約書で代用し、警察に申請を出しました。

待ちに待った納車の日、事故は起こりました。

Aさんの借りていた区画はロールーフ車(全高1550㎜以下)向けの区画だった為、背の高いワンボックスカーは機械式駐車場のサイズ制限を超えていたのです。
許容サイズを超えた車を入庫したことにより、駐車場の機械が故障し、Aさんの車にも天井にキズが発生。
管理会社からは駐車場の機械の修理費を求められ、新しく買った車も早々に修理が必要と、散々な結果になってしまいました。

Aさんの例はあくまで一例ですが、機械式駐車場の許容サイズを把握している管理会社に事前に相談していれば、未然に防げたトラブルなのは明らかですね。「いけそうだから」「手数料が勿体ないから」と自己判断せず、管理会社や大家さんに相談しましょう。

Q5.引っ越しのときも取る必要があるのですか?

引っ越しの際に車庫証明を取らないままでいると、自動車税の通知が来なかったり、法律違反(車庫飛ばし)になったりしてしまいます。必ず申請するようにしましょう。

Q6.そもそもどういう経緯でできた制度なのですか?

昔(車庫法が制定される昭和37年以前)は、車庫証明がなくても車を購入できました。
しかし、公道を駐車場代わりにする人が現れ、消防車等の緊急車両が通れないなど、社会問題に発展しました。
そこで政府は「車庫を確保できていない人には車を買わせない」という考えのもと、車庫法を制定するに至ったのです。

参照元:激動!東海道新幹線開通と車庫法の関係・歴史。

Q7.2023年から施行される車検証の電子化で、何か変わるのでしょうか?また、車庫証明の手続きが楽になったりするのでしょうか?

2023年から施工される車検証の電子化で、車検証の券面から車検の有効期限・所有者の氏名と住所の記載がなくなります。

電子化された車検証の写真です。券面から車検の有効期限・所有者の氏名と住所の記載がなくなっています。
電子車検証に移行した後は政府の提供する「車検証閲覧アプリ」で車検の有効期限を確認することができます。
(アプリについて、詳しくは政府HPをご覧ください)

電子化に伴い、車検証のサイズ自体も小さくなります(従来はA4相当だったのが、A6よりも少し大きい程度に変わります)。

比較してみると、大きさの違いがよく分かりますね。

車庫証明の手続きに関してですが、政府公式HPを確認したところ、車検証記載事項(住所や車両名義等)を変更するには、今まで通り陸運局での手続きが必要なようです。
車検証が電子化されても名義変更や引っ越しの際には車庫証明を取り、陸運局で手続きをする必要がありますので、ご注意ください。