駐車場投資は儲かる?成功させるために抑えたいポイント

駐車場投資は儲かる?成功させるために抑えたいポイント

駐車場投資を知っていますか?

さまざまな投資がある

「投資」と一言にいっても投資の種類は実に様々あります。代表的なのは企業の発行する株に投資する株式投資です。

    ・株式投資
    ・外貨預金(FX)
    ・投資信託
    ・不動産投資
    ・個人型確定拠出年金(iDeco)

この記事では、不動産投資の中の駐車場投資についてご紹介していきます。

駐車場投資とは

駐車場投資は、駐車場を経営して駐車場から収益を得る投資です。長期的なリターンが見込めるのが特徴です。

駐車場には2種類あります。「月極駐車場」と時間貸しの「コインパーキング」です。さらに運営方法にもいくつか種類があります(後ほど詳しく紹介します)。中には、月極駐車場には自営が多く、コインパーキングは土地を業者に貸して賃料をもらう方法を選ぶことが多いとする意見もあります。駐車場の形式と運営方法だけでもいくつもの選択肢があるのです。

駐車場投資のメリットとデメリット

先に述べたように、駐車場には2種類の形式があります。次に、月極駐車場とコインパーキングの場合のそれぞれのメリットとデメリットを紹介します。

月極駐車場の場合

〈メリット〉

    1)平面駐車場の場合、機械の導入がないため初期投資を抑えられる
    2)毎月賃料を回収できるので収入が比較的安定しやすい
    3)平面駐車場の場合、原状復帰・撤退が簡単

〈デメリット〉

    1)長期間の空きがあると厳しい
    2)無断駐車やごみの不法投棄などのトラブルが起きやすい

コインパーキングの場合

〈メリット〉

    1)自営の場合、利用状況に応じて収入を増やすことができる
    2)業者に頼ることができる

〈デメリット〉

1)自営の場合機械の導入で初期費用がかかる
2)未払い駐車などのトラブルが起きる可能性がある
3)価格競争に巻き込まれ、料金の見直しが必要になる場合がある

月極駐車場・コインパーキングの種類に関係なく、駐車場投資は他の不動産投資に比べて税制上のメリットは少なくなります。しかし、導入コストや撤退コスト・トラブルなどのリスクが低く、基本的にはどんな土地でもやろうと思えば駐車場投資を始められるのが魅力です。

駐車場投資の成功例と失敗例

駐車場投資の成功例

借り手が見つからず遊休地になっていた土地を、一括借り上げ方式でコインパーキングにしてわずかな収入源にできたという成功例があります。遊休地のままでは収入がないのに固定資産税や維持管理費ばかりがかかってしまっていたようですが、コインパーキングにしてから収益があがるようになったとのことです。

駐車場投資の失敗例

コインパーキング投資に失敗した例を紹介します。
自営でコインパーキングを始め、最初は順調に経営できていたようですが、半年たったころから近所にある大手のコインパーキング運営会社が価格の変更を実施。それに合わせて価格を下げるも、利用者が減少し、結局撤退をしたとのことです。収入如何よりも、価格競争による心労が大きかったとのことです。詳細は以下の記事に載っていますので、一度読んでみてください。

〈参考〉https://www.rakumachi.jp/news/column/207558

上記の例では撤退した後、駐車場だった土地を一軒家にしています。失敗した場合でも、こうして別の用途に転用しやすい点は、駐車場投資の強みのひとつといえるでしょう。

結局のところ駐車場投資は儲かるのか

駐車場投資が儲かるのかどうかについて、結論から述べると答えは「長期間続ければ儲かる」です。

駐車場投資は細く長く儲かる傾向にある

駐車場投資の利回りは、土地の購入から始めると平均でだいたい4%程度、多くて10%程度と言われています。利回りを4%として考えると、初期費用を回収するまでに約25年かかるということです。土地を最初から所有していて、土地購入の費用がかからない場合は、50%近くなることもあるようです。

利回りの計算方法は一般的に「収入÷経費×100%」です。月極駐車場の場合の利回りの計算方法は以下の通りです。

([月額賃料]×[台数]×12ヶ月−[維持管理費])÷初期費用×100(%)

それでは、具体的にシミュレーションをしてみましょう。

月極駐車場経営のシミュレーション

〈条件〉

    ・月額賃料:10,000円
    ・収容台数:8台
    ・契約率 :100%
    ・土地代 :2,000万円
    ・初期費用:200万円(コンクリート舗装で170万円、歩道の工事で30万円)
    ・維持管理費:10万円

〈土地購入の必要がない場合の利回り計算〉

(10,000円×8台×12ヶ月−10万円)÷200万円×100(%)
=43%
→初期費用の元をとるのに約2年半

〈土地購入から始める場合の利回り計算〉

(10,000円×8台×12ヶ月−10万円)÷(2000万円+200万円)×100(%)
=3.9%
→初期費用の元をとるのに約25年

土地の購入がない場合、約2年半で初期費用を回収できることになります。ただ、常に満車の状態を維持するのは簡単ではありません。コツコツと長期的なリターンを見込んで運用していくのが懸命です。

ちなみに、コインパーキングの場合は、専用機械の導入でかかる初期費用、運営委託の手数料、利用台数の変動、価格競争による料金の見直しなど、見通しを立てづらい傾向にあるのが注意点です。自営のコインパーキングであれば、利回りが40%ほどになることもあるようですが、多くの場合は業者に運営を委託する形をとるようです。

駐車場投資を成功に導くカギは?

駐車場投資を成功させる鍵は「立地と情報収集」・「運営方法」です。

立地・情報収集

立地によっては月極駐車場に向いている土地と、コインパーキングに向いている土地で少々特徴が異なります。近くの商業施設や、人や車の往来、地域の特性などから複合的に駐車場利用予定者の心理を研究することが大切です。

〈両タイプ共通で駐車場に向いている土地〉

    ・人の往来が多い一方で駐車場が足りない土地
    ・競合となる駐車場が付近に少ない土地

〈月極駐車場に向いている土地〉

    ・オフィスが立ち並ぶエリア
    ・駐車場の足りないマンション付近や住宅地
    ・建設業者の利用が見込めそうなエリア

〈コインパーキングに向いている土地〉

    ・商業施設の立ち並ぶ大通りの裏路地
    ・駐車スペースの足りない人気店の近く
    ・スーパーマーケットの駐車場が大きく店舗まで距離がある場所
    ・地方の駅前や商業施設の周辺

「立地」といっても、「住宅地だからニーズがない」というような単純なものでもないのが難しいところです。利用者の心理を分析してみると、住宅地や狭い裏路地でも場所によってはニーズがある可能性があります。そうした情報収集が駐車場投資の成功への第一歩になるのです。

運営方法

加えて「運営方法」もポイントの一つです。運営方法には以下の通りいくつか種類があります。月極駐車場でもコインパーキングでも、運営方法の選択肢に大きな違いはありませんが、どの方式にする場合でも業者選びは慎重に行いましょう。

    ・自営:利用者の募集・賃料の回収など全てを自身で行う。
    ・管理委託方式:業者に手数料を払い委託する。業者は利用者募集・賃料回収・トラブル対応を行う。
    ・一括借上方式:業者に手数料を支払うが、駐車場を貸す代わりに業者から毎月一定額が支払われる。

運営方法を決める際の注意点

運営方法の選択に慎重になるべきである理由は、運営方法を間違えると以下のような状況に陥る可能性があるからです。

    ・トラブルがあったときに業者がちゃんと対応してくれず評判が下がり利用者が減少し収益も減少する
    ・収益をあげたいために高い料金設定をしたために利用者が少なく収益にならない
    ・大手の駐車場運営業者に委託し、競合との値下げ競争に巻き込まれ、収益があがらなくなる

だからと言って、業者に頼らないで自力で駐車場を運営するにも限界がありおすすめができません。たしかに、自営の場合は業者に支払う手数料がない分、より多くの収入が見込めます。しかし、維持管理やトラブル対応を自身で行わなければならないデメリットもあります。

先に紹介したように、業者に土地を貸し出し毎月一定の賃料を受け取る方法もあります。どんな方法で駐車場を運営するのか、業者と話し合いながら自身に合った方法を見つけるのがよいでしょう。

以上のような場合を想定して、立地や周辺情報も加味しながら、複合的に駐車場投資の準備をしましょう。

まとめ

ここまでに紹介してきた情報をみてみると失敗するケースは、月極駐車場は「慢性的な空車」、コインパーキングは「競合との価格競争」が大きな要因となるといえそうです。以上を踏まえ、駐車場投資を成功させるためのポイントは以下の通りです。

    ・住宅・交通機関・商業施設・交通量・競合の駐車場など複合的に周辺環境を探る
    ・土地の相場を把握したうえで料金設定をする
    ・駐車場を運営している間も周辺環境の変化にアンテナを張っておく
    ・防犯設備の導入やこまめな見回りを行い、いたずらや窃盗・当て逃げへの対策をとる
    ・管理を自身で全て行おうとはせず、委託できるところは委託する
    ・管理委託する業者を吟味する
    ・トラブルに備え事業者用保険に加盟しておく

繰り返しになりますが、一番大事なのは「立地・情報収集」・「運営方法」です。現状の把握だけでなく、競合が近所にできる予定などの急な変化にも対応できるよう、常にアンテナを張っておくことが大切です。