自動車保険の基本・加入の仕方を解説!

自動車保険の基本・加入の仕方を解説!

 

自動車を買う際には必ずかけなければいけない「保険」

自動車を初めて買う方の中には「事故のことを考えるとかけないといけないのは分かっているけど、どうやって加入すればいいのかな?」「そもそもどうして保険ってかけないといけないの?自賠責保険と他の保険の違いって何?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。

今回の記事では、「自動車保険の基本と加入の仕方」について解説します。

目次

①自動車保険の基本
②任意保険は入らなければダメ?
③保険の入り方
④補償内容を決める
⑤見積り・申込
⑥申し込み後の流れ

 

①自動車保険の基本

自動車保険は基本的に「自賠責保険」と「任意保険」に分かれます。

自賠責保険

法律で加入が義務付けられている保険です。車を買う際には、必ず入らなければなりません。

交通事故の被害者に最低限の救済が行われることを目的として加入が義務付けられているものですので、保険料は非常に安い反面、補償される金額も低くなっています。

また、補償される対象相手方の人身に限定されている為、他人の物を壊した際や運転者がケガをした場合は、加入していてもお金が出ることはありません

 

任意保険

法律で加入が義務付けられていない保険です。加入は法的な義務ではありませんが、実に8割の方が任意保険に加入しているというデータがあります。
(参考資料:損害保険料率算出機構「2020年度版 自動車保険の概況」

補償内容は保険会社によってさまざまであり、自分に合った補償内容を選ぶことができます。基本的には人や物に対する補償額を無制限に設定して加入されている方が多いようです。

会社によっては保険の対象者を絞ることで保険料を割り引くなど、各社が個々のカラーを活かした補償内容を展開しています。

 

②任意保険は入らなければダメ?

任意保険は自賠責保険とは異なり、法的には加入する義務がありません。

そのため「加入しなくても良いのかな?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、事故を起こした際に豊富な補償でドライバーを守ってくれることを考えると、車を買う際には是非入っておきたいものです。

とはいえ、実際に任意保険に加入するとどのようなメリットがあるのか、初めて車に乗られる方には分かり辛い部分があるかもしれませんね。

ですので、「自分が事故を起こしてしまい、相手方が死亡してしまった場合」を例として、任意保険に入っているとどうなるかを説明します。

 

例)人身事故で相手方を死亡させてしまった場合

・自賠責保険にしか加入していないと……

自賠責保険の場合、被害者が死亡したときの補償額は3000万円までとなっています。それを超過した分を請求された際には、自分で残りの請求額を支払わなければなりません。

過去には2億円を超える請求が認められた裁判例もあり、自賠責保険で賄われる3000万円を差し引いても到底支払えない額の請求が行われ、支払いができずに今後の生活が狂ってしまう、ということもあり得ます。

(参考リンク:交通事故の死亡・後遺症賠償額の高額ランキング
https://www.insweb.co.jp/car/kisochishiki/jidosha-jiko/jikobaishou-kougaku-ranking.html )

また、運転者である自分がケガをしたり、自分の車が壊れたりしてしまっても、それに対する保証はありません。実費で治療費を払い、車を修理する必要があります。

 

・任意保険に加入していると……

仮に対人補償額を「無制限」にしていた場合、相手からの請求額が3000万円を超えていても保険会社が請求された金額の支払いを行ってくれます。補償額を定めていた場合(1億円までなど)は、その範囲内での支払いが行われます。

また、契約時の補償内容によりますが、運転者である自分のケガの治療費や、車の修理代補償してくれる場合もあります。「相手方に正面からぶつかり、運転者の自分も大怪我で入院。車もガラスが粉々になり、修理が必要」……といったことを考えると、加入していた方が安心なのは間違いないでしょう。

 

いかがでしょうか。事故を起こした際のことを考えると、任意保険に加入していた方がより安心ですね。
次の項からは、任意保険の加入の仕方について説明します。

 

③保険の加入の仕方

保険の加入の仕方は、大きく分けると「保険代理店から加入する」「インターネットから加入する」の2つに分けられます。

 

保険代理店から加入する

いわゆる「保険屋さん」の担当者の方と話をして加入する方法です。車の場合だと、ディーラーさんが保険屋さんを兼ねている場合もあります。

対面での相談ができるので、初めて車を買う為必要な補償が分からない方や、保険の加入に関わる手続きについてサポートしてほしい方オススメの入り方ですね。

専門の方が保険内容について説明してくれるので、「このオプションをつけたらどこまで補償されるの?実際いくら出たかを知りたい!」と思ったときに、詳しい話(担当者によっては自分が担当した実際の事例を教えてくれることもあるでしょう)が聞けるので、安心感があります。

ですが、担当者によっては不要なオプションをつけさせようとしたり、事故時のサポートが不十分だったりする可能性がありますので、信頼できる担当者と話をするのが大事です。

 

インターネットから加入する

インターネットで保険会社に直接連絡して加入する入り方です。

お店に行かずとも加入でき、担当者とも話をしなくて良いので、「とにかく早く加入したい」「家で手続きを完結させたい」と考えている方オススメの入り方ですね。

また、長年車に乗っていて、自分に必要な補償内容を熟知している方にもオススメです。

最近は自分の希望の補償にチェックを入れるだけで、保険料の見積を出すシミュレーターを用意している保険会社も多く、複数の保険会社で見積を取りたい場合にも適していると言えます。

ですが、自分で補償内容を決めて申し込まなくてはならないので、本当に必要な補償に気付けないまま加入してしまうデメリットもあります。

「保険料が高いのはイヤだから、これくらいの補償にしておこう」と思って加入したら、事故を起こしたときに思ったよりも高額な請求を受けて「あの補償もつけておけば良かった……」といったことにならないよう、ネットで申し込む時は下調べをしておくのが大事です。

 

近年は申込の手軽さからネットで加入する方が増えているようですが、代理店にも代理店なりのメリットがあります。自分の状況を鑑みて、どちらの方法が適しているかを見極められると良いですね。

 

④補償内容を決める

保険に加入する際には、補償内容(保険でカバーしてもらう範囲)を決める必要があります。

申し込む前に自分に必要な補償をイメージしておくと、代理店の方と話をするときもスムーズにいきますし、ネットで申し込むときも迷わなくて済むでしょう。

この項では、大多数の保険が補償の対象としている内容について説明します。

 

対人・対物補償

自分が運転する車が事故を起こして、誰かを負傷・死傷させたり、他人の物を壊したりしてしまった際に、相手方からの請求額を保険会社が払ってくれるというものです。

限度額を設けることで保険料を割り引いてくれるところが多いですが、この補償の補償額は「無制限」に設定しておくのが無難でしょう。

事故が起きたときの状況によっては、想定していた額よりも多額の請求がされることもあります。保険料が安くなるからと、素人判断で「これくらいあれば十分だろう」と考えて限度額を設定してしまうのはお勧めできません。

不慮の事故に備え、対人・対物補償は無制限にしておきたいものですね。

 

人身傷害補償

自分が運転する車が事故を起こし、運転者である自分や一緒に乗っていた同乗者の方がケガをしたときに、その治療費等を補償してくれるものです。この補償に関しては、事故の過失が誰にあるか(誰が悪くて事故が起きてしまったのか)を問わず、保険金が下りることが多いようです。

自損事故(運転を誤りガードレールにぶつけた等)でも、この補償をつけていれば治療費や入院費用の補償が行われます。いくら支払われるかは保険会社やプランによって異なりますので、加入時にチェックしておきましょう。

車の事故は自分が他人や他人の物に損害を与えるものだけとは限りません。夜道で運転を誤り、電柱にぶつかって一緒に乗っていた家族が大ケガ……といったこともあり得ます。

また、相手方に過失がある場合の事故でも、相手方が過失を認めない為に保険金が下りるまでに時間がかかり、手出しのお金が多くなってしまうこともあります。

そんなときも人身傷害補償をつけていれば早めに保険金が下りますので、ご自身の身体や大事な方のことを考えると、つけておいた方が望ましい補償と言えるでしょう。

 

車両保険

事故が起きて自分の車が傷ついてしまった際、その修理費を補償してくれるものです。

縁石に擦ってしまった、バンパーをぶつけた、駐車場に停めている間にいたずらをされ車両に傷が入った……そうした際に修理費を負担してくれる補償です。

特に、新車をローンで買っている方はつけておくのがオススメです。あまり考えたくはありませんが、負債が残った状態で全損事故を起こすと、車が手元にないのにローンを払い続けることになってしまいます。

そんなときも車両保険に入っていればローンの残債分を保険金で補填できますので、自分の負担を減らすことができます。

その一方で、「中古車だから多少の傷は構わない」「修理代は自分の貯金から出せるから必要ない」と考えている方は、無理につける必要のない補償でもあります。その分保険料が安くなることが多いでしょうから、浮いた分を修理代として貯蓄しておくのもアリですね。

また、「車両保険をかけているから雑な運転でもOK」かと言われれば、そうでもありません。車両保険を頻繁に使うと保険会社から「支払リスクの高いお客さん」認定をされてしまい、保険料が契約した当初の金額より上がってしまう場合もあります。保険をかけているからと慢心せず、安全運転を心がけましょう。

大多数の保険は上記4点の補償が含まれていますが、保険会社によっては下記のようなオプションをつけているところもあります。必要に応じて検討してみてください。

 

弁護士特約

事故の加害者・被害者になってしまった際、請求に関する話し合いが当事者間ではうまくいかず、法的な争いにもつれこむこともあります。そうなると弁護士を通して話をすることになりますが、その際にかかった費用を負担してくれる特約ですね。

「事故の後の話し合いが不安」「自分ではうまく話せる自信がないから、専門家に話をしてほしい」と考えている方は、つけておくと良いのではないかと思います。

 

代車費用特約

事故で車が故障してしまった際の代車代(レンタカー代)を補償してくれる特約です。

特にマイカー通勤等で日常的に車を使う方車が足代わりになっていて明日から車がなくなると困ってしまう方つけておくと安心でしょう。

逆に「都市部に住んでおり、車が使えなくなっても別の交通手段があるので問題ない」という方にとっては、不要なオプションかもしれません。

自分の周りの交通状況を見て、つけるかどうか選びたいオプションですね。

 

ここまで任意保険の主な補償内容を説明してきましたが、保険でカバーできる範囲についてなんとなくイメージがつきましたでしょうか。

また、保険に加入する際には補償の内容だけでなく、補償の対象者(誰が運転したとき、補償されるか)もあわせて考えておくと、よりスムーズに申込が進むでしょう。

「独身で誰にも車を使わせる予定はないから、自分だけ補償してくれればいい」「家族全員で使うから、誰が運転してもOKにしておこうかな」等、運転する可能性がある人がどれだけいるのかを考えておくのも、申込のコツの一つです。

次の項では、実際に申し込む際の具体的な流れを説明します。

 

⑤見積り・申込

自分に必要な保険の内容がイメージできたら、次は見積もりを取ってみて、実際に申し込みましょう。

見積もり

・代理店から加入する場合

代理店から加入する場合は、担当者の方と保険の内容の話がまとまればその場で見積りを出してくれることが多いでしょう。親切な代理店であれば、見積もりの内容を印刷して渡してくれるかもしれません。

他社でも見積もりを取っている場合は、その旨を先に担当者に伝えておくのが大切です。そこで態度が変わるかどうかで不親切な担当者か見分けられますし、良い担当者であれば自社と他社の補償内容の説明を行った上で、どうするかをこちらに尋ねてくるでしょう。

他社と比較して決めることは悪いことではありませんが、代理店から加入する場合、担当者とは今後も付き合いが続いていきます(お店によっては事故が起きたとき担当者が駆けつけてくれる場合もあります)。そのことを考えると、他社で見積を取っているなら正直に伝えた方が無難ですね。

 

・インターネットから加入する場合

インターネットから加入する場合は、申込サイトから見積りが取れることが多いでしょう。会社によっては自分に必要な補償を選択するだけで、保険料を算出してくれるシミュレーターを出しているところもあります。

ネットで見積を取る場合はシミュレーターで出した見積もり金額をPDFでダウンロードできたり、メールで通知してくれたりすることが多いです。複数の会社の見積を取っても、後でゆっくり比較できるのがネット見積もりの良いところですね。

また、複数社の見積を一気に取ってくれるサービス(「自動車保険 一括見積」などのワードで検索すると出てきます)もありますので、自分で複数社の見積を取るのが面倒な方は利用されてみても良いかもしれません。

 

申込

・代理店から申し込む場合

代理店から保険の申込をする場合、お店で担当者と一緒に申込書に必要事項を記入して申し込むのが一般的です(ペーパーレス化が進んでいる代理店では、お店のタブレット等に必要事項を入力する場合もあります)。

担当者に確認してもらいながら申し込みが進められるので、申込書の書き方で分からないことや不明な点があれば、すぐに聞けるのが良いところですね。ネットで申し込むよりも、安心感を持って申し込みを進めることができます。

 

・インターネットで申し込む場合

インターネットから申し込む場合、保険会社が設けている申込フォームから必要事項を入力して申し込むのが一般的です。

基本的には画面の指示に従って入力していけば申し込みが完了しますので、ネットで何かに申し込むのに慣れている方はすぐに手続きを終えることができるでしょう。ネット申し込みを受け付けている会社は申込に関するFAQページを用意していたり、電話で問い合わせができたりするので、申込中に分からないことが出てきたら活用してみましょう。

また、申込に必要な書類が揃っていればお店に行かずに申し込めるのも、ネット申込の魅力ですね。近くに代理店がない場合、ネット申込の方が楽に申し込めるかもしれません。

 

⑥申し込み後の流れ

申込後の流れは、代理店に申し込む場合もインターネットから申し込んだ場合もあまり変わりません。

申込が完了し、契約が済むと保険会社から保険証券が送られてきます。最近は紙の証券が届くのではなく、メールでPDFデータが届く場合もありますので、メールも忘れずチェックしておきましょう。

会社によっては証券の一部分が切り離せるようになっており(一般的には「ドライバーズカード」と呼ばれています)、事故のときの連絡先を記載したカードを作れるようになっているところもありますので、その場合は免許証と一緒に保管したり、車検証のケースに入れておくことをオススメします。

事故が起きると人間、慌ててしまうものです。そんなときにどこに連絡したらよいかをまとめた紙が近くにあれば、安心して対処できますね。ネット証券の場合も万が一に備えて、緊急時の連絡先を印刷したものを車に積んでおくと良いかもしれません。

 

また、会社によっては証券が届くまで時間がかかることもあります。
そのため、「マイカー通勤を申請するために保険証券の提出が必要なのに……困ったな……」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

そんなときに役立つのが付保証明書(保険に加入していることを証明してくれる書類)です。

付保証明書は証券とは異なりますが、申し込んだ保険が契約されていることと、契約の内容を証明する書類として使えますので、「証券が届いていないけど保険の書類が必要……」なときに活躍します。

「付保証明書をください」と連絡すれば大抵の保険会社は発行してくれますので、お急ぎの際には一度保険会社に問い合わせてみてください。

 

今回の記事では「自動車保険の基本と入り方」について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

最近はインターネット申込を勧める記事をよく見かけますが、代理店にも代理店なりの魅力(詳しい話が聞ける、申込についてアドバイスしてくれる)があります。どちらの申し込み方が適しているかは人によって異なりますので、自分に合った申し込み方を選べると良いですね。

今の自分に必要な補償を見極め、安さや補償の豊富さに惑わされない判断を行い、しっかりと納得してから保険を申し込みましょう!

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