駐車場の相続について知っておきたいポイント

駐車場の相続について知っておきたいポイント

駐車場の管理者が年を重ねると、その土地の相続について考えることがでてくると思います。駐車場を含む土地を相続するか・しないか、そのメリットや注意点について紹介していきます。駐車場の土地を譲ろうと考えている方、譲り受ける可能性がある方の一助になればと思います。

相続とは?

そもそも相続は、ある人が亡くなったときに、その人の遺産を特定の人が引き継ぐことを指します。遺産には、現金や預貯金、土地や建物といった不動産、著作権などの権利、借入金などの債務などがあります。

相続先や分割の決め方には大きく3つあります。

・民法による法定相続:民法で定められた相続人が定められた分だけ相続する
・遺言による相続:亡くなった人の遺言書にそって相続を決める
・分割協議による相続:相続人で協議して分割を決める

相続は知識のないまま進めると、余分に税金を支払ってしまったり、親族間で揉めたりすることもしばしばあります。そんなトラブルを避けるためにも最低限の知識を身につけておきましょう。

駐車場を含む土地を親族から相続される場合

先にも述べましたが、相続はしばしば親族間の揉め事の火種になります。トラブルを避けるためにも、勇気を出して話し合うことをはじめ、遺言書の準備や、信託の活用、生前相続などの準備をしておくのが賢明です。

遺言書

遺言書には3種類あります。

・自筆証書遺言:本人が手書きで作成する遺言書。不備があると遺言書として認められない
・公正証書遺言:全国にある公正役場で2名の立会いのもと公正人が作成する遺言書
・秘密証書遺言:本人が作成し、公証役場で保管できる遺言書

自分の意思を文書にして残しておくことで、トラブルを避けられるようにしておきたいですね。以下のサイトを参考にしてみてください。

〈参考サイト〉
https://syukatsulabo.jp/article/6346
https://www.happy-souzoku.jp/souzoku-15980.html

駐車場を含む土地を親族から相続する場合

相続の種類には以下の3種類があります。

・単純承認:資産も負債も相続すること
・限定承認:資産から負債を弁済し、資産が残る場合にその分を相続すること
・相続放棄:資産も負債も相続しないこと

遺産を相続することになった場合、受け取るか受け取らないかを相続人が決めることができます。負債だけ相続しないということはできないので、相続するかしないか、よく考える必要があります。

とはいえ、相続には専門的な事項が多く、すぐに理解できるというものでもありません。最もおすすめするのは、専門知識をもつ人の力を借りることです。税理士や、不動産相続アドバイザーに依頼をすることで、専門的なアドバイスをもらえるだけでなく、親族間でトラブルが起きそうな時に第三者として仲介役を担ってもらうことも見込めます。全て当事者だけで解決しようとせず、詳しい人の力を借りることも検討してみてはいかがでしょうか。

相続税について

相続について気になるのが相続税です。相続税とは、亡くなった方から遺産を相続した際に、その遺産の増額が大きい場合に課せられる税金のことです。相続開始から10ヶ月以内に納税する必要があります。相続税について特筆すべきは、「計算する人によって額が変わる」ということです。税理士選びも慎重に行うべきでしょう。

駐車場の相続に関しては、小規模宅地とみなされる場合などの特例が適用され、相続税が減額となることがあります。簡単に紹介すると、着眼点は以下の2点のようです。

・駐車場の敷地にアスファルトや砂利・機械式駐車場などの構築物があるかどうか
・それらの構築物にある程度の投資をしており、駐車場業としての事業性があるかどうか
詳しくは以下のサイトをご確認ください。

〈参考サイト〉
https://chester-tax.com/contents/estate/step2-3-2.html
https://souzoku-ch.jp/case/
https://chester-consulting.jp/blog/inheritance-tax-practice/相続税のこと/parking-lot-800

駐車場の相続について考える際のポイント

ここまで相続に関する基本事項を紹介してきました。これらを参考に、駐車場をもつことのメリットとデメリットを見ていきましょう。

現在駐車場の土地を持っている方

駐車場の土地を持ち続ける場合

〈メリット〉
・駐車場を運営することで収入が見込める
・駐車場は利用者の立ち退きが比較的簡単なのですぐに転用ができる
・更地にすることが容易(駐車場の形式にもよる)
・以上のように選択肢がいくつかある

〈デメリット〉
・駐車場として運営すると所得税負担が大きい
・住宅用地に比べて固定資産税が高い
・維持管理コストがかかる
・相続をどうするか準備しておく必要がある

駐車場の土地を譲る・手放す場合

〈メリット〉
・駐車場の形式にもよるが、建造物に比べ、更地に戻すのが容易なのでコストを抑えられる
・土地を売却し売れれば収入になる
・土地を寄付すれば特にコストはかからない
・維持管理の任から解放される

〈デメリット〉
・売却の場合、不動産とのやりとりなどの労力がかかる
・売却の場合、売るためにリフォームや解体のコストがかかる可能性がある
・土地が売れるかどうかは分からない

駐車場の土地を誰かに譲ることなく所有する場合は、駐車場として引き続き経営していくか、別の用途の土地として転用するか、更地に戻すのかという選択肢が複数あります。そうした選択肢を持てるところに魅力があるといってようでしょう。

ただ一方では、将来誰かがその土地を相続することになった場合に、トラブルなく相続できるように準備を進めておくことも忘れずに考慮しておきたいポイントです。

これから駐車場の土地を相続する可能性のある方

駐車場の土地を相続する場合

〈メリット〉
・駐車場は駐車場のまま活用する・転用するのか・更地にする・売却するなど複数の選択肢がある
・駐車場として収入が見込める
・特例の条件を満たせば相続税が減額される

〈デメリット〉
・相続税・固定資産税がかかる
・維持管理コストがかかる
・駐車場として運営にしても、土地を売却するにしてもいずれ労力がかかる

駐車場の土地を相続しない場合

〈メリット〉
・相続税・固定資産税などについて心配する必要がない
・土地を手放すことで土地に縛られることがない

〈デメリット〉
・相続放棄の場合、他の全ての資産の相続を放棄し、所定の手続きを行う必要がある

駐車場の土地を所有する・相続する場合

駐車場の土地を引き続き所有する場合、または相続する場合の方向性としては大きく2つの選択肢が考えられます。引き続き駐車場として運営していく、別の用途に転用する、の2つです。それぞれについて簡単に説明していきます。

駐車場を運営・管理する

駐車場の運営方法には大きく2つあります。駐車場の運営会社に貸す方法と、個人で運営する方法です。

駐車場の運営会社に貸す

駐車場の土地を駐車場の運営会社に貸すと、運営会社から賃料が支払われます。一定の収入が保証される点と、運営を任せられる点がメリットです。

〈参考サイト〉
https://www.parkingmarket.co.jp/contact/
http://www.times24.co.jp/lp/li01002.html
https://chumap.jp/inq/regist/

個人で運営する

運営会社を通さずに個人で駐車場を運営することももちろんできます。運営のコストがかかったり、安定した収入は保証されませんが、仲介がないので利用されたぶんだけ収入になります。

また、駐車場の種類にも、「コインパーキング」と「月極駐車場」の2種類あります。月極駐車場にしてもコインパーキングにしても、それぞれにメリットとデメリットがあります。一番大きな違いは、収入の変動と機器の導入コストです。以下の参考サイトをもとに検討してみてください。

〈参考サイト〉
https://www.i-tech-corp.co.jp/profit/
https://miraimo.com/5480

駐車場の土地を転用する

駐車場の土地を別の形で活用する選択肢もあります。駐車場以外での土地活用の例は以下の通りです。選択肢のひとつとして参考にしてみてください。

〈土地活用例〉
・賃貸住宅:賃貸アパートや賃貸マンションを経営する
・トランクルーム:トランクルーム業者と共同で収納スペースとして貸し出す
・太陽光発電:ソーラーパネルで発電した電力を電力会社に売電する
・コインランドリー:フランチャイズか自営で、洗濯機類は購入かリースで経営する
・資材置き場:建築資材や重機の保管場所としてスペースを貸す
・自動販売機設置:設置から補充・空き缶と売り上げ回収まで業者に任せて管理する

駐車場以外の選択肢もいろいろありますね。以下のサイトにそれぞれのメリット・デメリットや詳しい情報が載っていますので、参考にしてみてください。

〈参考サイト〉
http://tochikatsu-iroha.com/land-usage-vacant-land/#index20
https://tochikatsu-plus.jp/land-15-9164#2-7

駐車場の土地を手放す・相続しない場合

駐車場の土地を売却する

駐車場の土地を売却する場合、駐車場のまま売却する場合と、更地にして売却する場合の2パターンがあります。駐車場を撤去し更地にして売却する場合、もともと駐車場を利用している人に立ち退いてもらう必要があります。

確かに駐車場は、住宅とは違い借家権がないため立ち退きを通告できますが、通告してすぐに退去できるわけではありません。遅くても1ヶ月前には通告しておきたいところです。さらにそこから駐車場の撤去作業が必要になるとすると、売却には長い時間と手間がかかることがわかります。十分な余裕を確保したうえで、専門家の力を借りて手続きをすすめましょう。以下のサイトが参考になりそうです。

〈参考サイト〉
https://ietoikiru.jp/sell/tyuusyajyou/
https://home-kaitori.com/kisochishiki/parking-baikyaku/

駐車場の土地を寄付する

相続した土地を売却以外の方法で手放したい場合、寄付する方法があります。寄付先としては大きく、「自治体」、「個人」、「公益法人」の3つがあるようです。寄付といっても、どの自治体も必ず寄付を受け付けるというわけではなく、シビアな面もあるようです。以下のページを参考にしてみてください。

〈参考サイト〉
https://fudosan-pro.me/columns/130/
http://www.tochikatsuyou.net/land/kifu/

土地の相続権を放棄する

先にも述べましたが、駐車場を含む土地を相続する権利を放棄することができます。裁判所で所定の手続きが必要になります。専門的な知識を要する手続きになるので、専門家の力を借りるのが賢明です。

〈参考サイト〉
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html
https://www.souzokuhiroba.com/souzoku/abandon-inheritance.html