駐車場にある障害者マークの存在意義とは?

駐車場にある障害者マークの存在意義とは?

皆さんは、日常生活の中で多くの看板や標識などに囲まれて暮らしています。日本で使用されている道路標識の数は、都道府県別で若干の変動がありますが、なんと200を超えると言われています。今回は、その中でも、高齢化社会において。目にする機会が増えてきた障害者マークについてまとめていきます。

障害者マークって何?

「障害者マーク」と言われて頭にぱっと思いつくのは車いすに人が座っている青いマークではないでしょうか?実際に、よく見るマークであることは間違いないのですが、実際の障害者マークにはいくつも種類があります。それは、一口に「障害者」と言っても、耳が聞こえない人、喋れない人、歩けない人など障害の度合いが多岐にわたるからです。現状は、日常生活においてすべてを把握して生活することは不可能なため、皆さんがよく知っている車いすに人が座ったマークが主に使用されています。通称、「車いすマーク」と呼ばれており、特に駐車場で目にすることが多いと思います。

ほとんどの人が知らない障害者マークの意味

では、駐車場でよく目にする障害者マークの意味はなんでしょうか?この問いに対して、ほとんどの人が「障害者専用のスペース」という認識を持っていませんか?残念ながら、その認識は正解ではありません。駐車場に限らず、施設、公園、トイレなどでよく見るこのマークが意味することは
「障害のある方々が利用できる建築物、施設である」ことを示しています。そのため、マナーのような感覚で障害者マークのあるスペースに車を止めない方がいますが、止めること自体は問題ではありません。健常者でも使用することは可能ですが、暗黙の了解のごとく実際に健常者の人たちは使用していないのが現状です。今後は、障害者マークへの認識を改め、マークを見るたびに「これは障害の方でも利用できる施設なんだ」と思っておきましょう。

※車椅子の方、車椅子に乗っていない障害者の方、健常者の方、全ての方が利用可能です。

どのような基準で設置されているの?

例えば高速道路のパーキング・サービスエリアを例に考えてみましょう。障害者用スペースにある障害者マークは、必ず「施設の入り口に近い位置」に設置されていませんか?またはトイレの入り口などに近い場所についていると思います。逆に、施設から遠い駐車場にはほとんど障害者マークを見ることはありません。その理由が、設置の基準にあります。

障害者マークマークの設置基準

・障害者が利用できる施設であること
・障害者が不都合なく利用できる設備があること
・バリアフリー化がされていること(スロープがあるなど)
・その他設置地域の条例による

*障害者マークは、道路交通法上に効果があるものではありません。個人宅へ設置も可能ですが、行政に必ず問い合わせてから設置するようにしましょう。
駐車禁止逃れなど交通法に反する意図での利用は禁止されています。また、すべての項目を満たしていなくても設置自体は可能になります。
設置を希望する際は、住んでいる自治体、または日本障害者リハビリテーション協会へ問い合わせてみましょう。

日本障害者リハビリテーション協会:http://www.jsrpd.jp/static/symbol/symbol_01/index.html

なぜ障害者マークが生まれたのか

日本で唯一障害者マークの正しい知識の普及を目的として活動している「日本障害者リハビリテーション協会」によると、1969年に、国際リハビリテーション協会(通称RI)によって採択されたものとされています。マーク上では、車いすが描かれていますが、すべての障害者を対象としているマークと指定しています。
「道徳、人権教育が盛んになるにしたがって、社会全体のニーズにこたえるため」という教育的な背景もあるようですが、根底には「障害者を社会生活から隔離しない」という目的があります。また、動けない、ことを理由に外出をしなくなる=引きこもりがちな障害者の方々にも、外へ施設を利用してもらい、共に社会生活を営んでもらえるようにという趣旨があります。「どなたでも利用できます」というスペースを設けることで、社会生活から疎外されない安心感を得ることができます。

障害者マークの問題点

これまでの記述において、障害者マークについて多くの認識を改められたのないでしょうか?しかし、決め事や新しいものに対しては、必ず問題点も存在するのが通常です。駐車場や施設における障害者マークがもたらす問題点とはなんでしょうか?

スペース利用に対する認識の甘さ

前述で問いましたが、障害者マークを利用することは誰にでも可能です。しかし、認知的には、障害者マークスペースを利用=障害者という偏見が付きまとっているのも事実です。「本当は足に障害があるけれど、周りの目が嫌だから障害者マークのスペースを使わない」、「実際に、障害者マークのスペースに止めていたら、わざわざ障害の有無を確認された」などという声は、意外と多く聞こえてきます。また、これは教育的な問題にもつながりますが、マークの形上「足が悪い人しか使えない」と思っている方は非常に多いです。日本障害者リハビリテーション協会では、「すべての障害者が対象」と明言しています。もっと言えば、身体的だけではなく精神的な障害を持っている方でも利用可能ということです。また、駐車場などで見る障害者マークのスペースは通常よりも広く確保してあるため、車からの乗り降りもしやすく、利用者自身の安全確保の意味合いもあります。周りのきちんとした認識も、障害を持っている方々への支えとなりますのでしっかりと意味を知っておきましょう。これらのことから、障害者マークの存在意義は、「人権に基づいて社会生活を確保すること」と言えるでしょう。
相互扶助の考え方から、健常者の方々の支援と理解も必要になる、ということです。

最後に

いかがでしょうか?今までおもっていた障害者マークへの認識が変わったのではないでしょうか?今後、高齢化社会において、駐車場、施設問わず車いすマークの需要性は高まっていきます。私たち個人が、きちんと学び、知っていることが障害を持っている方々の手助けにもつながるのです。日常に隠れる知らない知識を、これからもどんどん知っていきましょう!