マイカー通勤に必要な手続き
- By トメ得編集長 --
- 2019年02月18日 --
マイカーでの通勤には様々なメリットがあります。満員電車を避けて通勤することができますし、人身事故などで足止めを食らう心配もありません。しかしマイカー通勤には会社によって様々な規定を設けていたり、手続きが必要だったりします。またマイカー通勤で必ずしも通勤手当が出るとは限りません。通勤手当の算出方法も複雑になり、会社によって異なります。また駐車場に関しても、会社敷地内に従業員用のスペースがあれば問題ありませんが、なかった場合はどうするか? など、前もって考えておくべき問題は色々あります。マイカー通勤をお考えの方に、マイカー通勤をする場合にどんな手続きが必要なのか、前もってどんなことを知っておくべきなのかをまとめました。ぜひ参考にしてください。
マイカー通勤をするために必要な手続き
会社へ申請し必要書類を提出する
マイカー通勤をするにあたり、きちんと会社に申告し、各種手続きを踏む必要があります。無許可でマイカー通勤をしてしまうと事故を起こした時に色々と問題になりますから、必ず申告と手続きを済ませておきましょう。中には「通勤規定」がきちんと設けられていない会社や、禁止しているにも関わらず事実上マイカー通勤を黙認している会社もあるようですが、こういった場合もやはり通勤中に事故が起きた際に問題になることが多いようです。もしもの時に損をしないように、マイカー通勤に関して会社の規定をきちんと確認しておくことは大切です。なお、どのような手続きが必要かは会社によって大きく異なってきます。多くの企業ではマイカー通勤の申請に際して、申請書とは別に各種書類提出を求められることが多いようです。提出が求められる書類の例としては「車検証」「免許証」「自賠責保険・任意保険の保険証」などが必要となることがあるようです。会社によって異なるので、きちんと確認しておきましょう。
誓約書を書く場合もある
マイカー通勤の手続きとして、よく誓約書を書くことを求められることがあるようです。内容は「仮に通勤中事故を起こしても、会社に一切迷惑はかけません」といったものが主流のようです。しかしこのような誓約書を書いたとしても、法的にはなんの効果もないようです。このような誓約書を書いた上で、もし通勤災害などで会社と裁判になったとしても、誓約書のせいで不利になることはないということになります。このことは頭に入れておいた方がよいでしょう。
保険への加入が必要なケースもある
会社によっては指定の任意保険に加入する必要があったり、保険のランクを上げたりする必要があるところも多いようです。その際、保険料を会社が持つのか個人が持つのかも、その会社によって異なってきます。必要な各種手続きと合わせて、その点もはじめに確認しておいた方がよいでしょう。
駐車場の契約の手続き
会社の敷地内に従業員用の駐車場があればそこを利用できますが、従業員用の駐車場がない場合があります。その場合は会社の近くの駐車場を借りなければなりません。その際には、駐車場の契約も必要な手続きとして含まれてきます。詳しくは下記の見出し「駐車場代は自己負担?会社負担?」にて説明していきます。
マイカー通勤で会社からの手当はでる?
通勤手当が支給されるかどうかは会社によって異なる
結論から言えば、必ずしもマイカー通勤で会社から手当が出るとは限りません。国税庁は一応、マイカー通勤において「支払われるべき通勤手当」を定めてはいるのですが、これは非課税枠を決めるために定めているのであって、法的に会社が通勤手当を支払うことを義務付けているわけではないのです。また会社によっては、マイカー通勤に際して通勤時間の制限や基準を設けていたりする場合もあるようです。これも会社ごとに確認していくしかありません。
通勤手当はどのように決められるか
乗る回数で料金が決まる電車やバスとは異なり、マイカー通勤の手当は算出方法が難しくなります。多くの会社では国土交通省が発表している「自動車燃費一覧」などの資料を元に、以下のような計算で算出します。
「往復の通勤距離×月の勤務日数×ガソリン単価÷平均燃費」
ただし会社によっては車種によって細かく燃費を計算しているところもあるそうです。これもくわしくは会社にたずねてみるのがよいでしょう。
マイカー通勤手当の非課税枠について
会社からもらう給与には所得税がかかりますが、通勤手当には税金はかかりません。ただし、その手当が非課税枠の中におさまっている必要があります。非課税枠とは、国税庁によって指定されている1ヶ月あたりの通勤手当の限度額のことです。この限度額を超えてしまうと、通勤手当にも所得税がかけられてしまいます。マイカー通勤の通勤手当の非課税枠は、国税庁のホームページで確認できます。なお平成26年から、マイカー通勤の非課税枠が引き上げられたようです。
詳しくはこちら https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2585.htm
通勤中の事故は誰の責任?
基本的には個人の責任
通勤中の事故は、基本的には個人の責任(従業員側の責任)と考えておいた方がよいでしょう。ただし、これはあくまで原則で、会社側の責任が問われるケースもあるようです。たとえば事故の原因が過労だったりする場合は会社の責任が問われるでしょう。また、事故の被害者が損害賠償をしてきた際に、加害者側の従業員が任意保険に入っていないと賠償請求をしても支払い能力がない場合が多くなります。その際、被害者は会社側に補償を求めてくることも多いようです(会社がマイカー通勤に際して任意保険への加入を求める場合が多いのはそのためです)。会社がマイカー通勤に一切関与していない場合、つまり従業員の側が勝手にマイカー通勤をしていて会社がそれを認識していない場合は会社に責任が問われることはほぼありません。逆に言えば、裁判例によっては会社がマイカー通勤を許可したり黙認したりしていた場合、「従業員への監督・安全教育が不十分だった」として会社側の責任も問われるケースがあるようです。※ただしこれは裁判例によって様々のようなので、一概に言うことはできません。
駐車場代について
駐車場代は自己負担?会社負担?
駐車場の料金は会社が負担するものなのでしょうか。実はこのことに関しても、通勤手当と同様に法律で義務付けられていることはありません。会社によっては駐車場代を全額、もしくは一部負担してくれるところもあるでしょう。しかし、会社によっては従業員の側が全額負担になるかもしれません。これは会社の考え方や財務状況によって左右される部分になるので、まずは確認が必要です。また、会社の近くの駐車場を自分で探さなくてはいけないという可能性も出てくるかもしれません。都心部になるほど、駐車場料金は高くなります。毎月の固定費を安くするためにも、条件の良い駐車場をなるべくお早めに探しましょう。
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個人で契約?法人で契約?
もし会社が駐車場料金を持ってくれる場合でも、「従業員個人で契約するか」「法人として契約するか」により税金の事情が異なってきます。結論から言えば、法人として契約する方が税金は安く済みます。駐車場を従業員の個人名義で契約する場合、会社は後から給与に上乗せする形で駐車場料金を支払うことになります。ここで難しいのが、駐車場料金を「通勤手当」の一部として処理することは法的に難しいということです。そのため駐車場料金は給与に上乗せする形で支払うしかありません。その場合、もちろん所得税がかかります。しかし、会社が法人として駐車場を契約する場合、「地代家賃」という形で経費として料金を支払うことができます。その場合、従業員の給料に上乗せする必要がなくなるため、所得税が発生する余地はなくなります。こういった事情から、法人契約で駐車場を契約してくれる会社の方が、従業員からするとありがたいようです。その点も、マイカー通勤を希望する方は確認しておいた方がよさそうです。